2009年11月18日
気軽な口調で、あまり負担にならないようにしながら
うつ病になると、日常の活動で何に対してもやる気がなくなり、またその一方で不安や、焦りが高まり、強い悲しみの感情に襲われたりもします。
けれども、安易な行動の変更は返って、うつの状態を悪化させる場合が多いのです。例えば、謙虚、転職、離婚などをしてみても、本当の病の回復にはならず、挫折感を招くだけといった場合も少なくないのです。
そしてまた、うつになると自分を追い詰めてしまう結果、自責の念が高まってきてしまいます。例えば、周りの人々に迷惑をかけているだとか、申しわけないだとかいったような思いです。
そしてまた、こうしたうつによる将来への行き詰まり感が、不安を与え、最終的に自殺の道を取らせてしまったりといったことも起こってきます。
自殺はそのうつの状況が最悪期を脱したときに、むしろ行われてしまいます。それというのも、本当に苦しい時には自殺する気力すら持てないからです。
また、うつがひどくなった時には、周りの人がその人に自殺を思い止まらせるように話していかなければいけません。それには例えば、その人の死によって、周囲の人がどんなに悲しむか等、命の大切さについて話してあげるのがよいでしょう。
ですから、決して焦らしたり、急かしたりすることなく、こうしたうつ病患者さんには温かい目で、ゆっくりと見守っていくという態度が大切なのです。
そして、うつになると何事にもやる気をなくし、通院や薬の服用なども嫌がる患者さんが多々見られます。そうした時には、それを促し、勧めていくということが大事なことにもなってきます。
して、うつ病の患者さんに対しては励まし過ぎたりすることはよくないのですが、大切に見守っているのだという態度を示し、少しも迷惑などを感じてはいないということを表すためにも、スキンシップを心がけると良いでしょう。
さらに、うつ病患者さんの自殺予防については、たとえば、気軽な語り掛け方で、あまりに負担にはならないような形で、将来の約束などをしてみるのもひとつの方法です。
たとえば、紅葉の時期になったら小旅行をしてみるとか、近いうちに孫や知り合いの顔を見に行こう、などといったことが良いでしょう。何より大事なのは、うつ病患者さんをリラックスさせて、思い詰めがちの気持ちを解きほぐしてあげることなのです。
しかしまた、そういうことをしていると、うつ病の患者さんに甘えや、依存心をもたらすようなことにもなってしまいがちです。その点は気をつけて、あくまで病気をよくするという意志だけは持たせるようにしていきましょう。