2010年01月01日
うつの症状には、普通の生活が送ることができる程度の軽症状から
「抑うつ症状」と「興味、喜びの喪失」という二つの主要症状を基本に診断される気分障害の一種であるうつ病は、「うつ」と呼ばれ最近耳にすることが多くなりました。
気分が落ち込んだり、何をしても気が晴れないという抑うつ気分は、自分を価値がないものと考える無価値感を引き起こし、自殺念慮に至ることもあります。
何もしていないのに疲れ、考えがまとまらないといった症状をも招くもう一つの主要うつ症状は、興味、喜びの喪失といい、従来楽しんできたことも楽しめなくなるという感覚の麻痺した状態のことです。
うつでは精神症状に加えて、食欲、体重、睡眠、身体的活動性の領域で顕著な減少や増加を生じる身体的症状を伴います。
うつは従来心の病気とされてきましたが、最近の研究では脳の病気ととらえられ、患者の脳内に不足する脳内物質の分泌を促進させる薬物治療法が主流になってきています。
うつには軽い症状から重い症状まであり、生活に支障をきたさない状態から、自殺を試みようとする状態までさまざまなゆえ、各症状による適切な対応が望まれます。
うつ病の治療にはその起因によって治療方法が異なり、心理的葛藤が起因の場合は心因性うつ病と呼ばれ、心理的葛藤が伴わない起因の場合は内因性うつ病と呼ばれ対処されます。
内因性うつ病の治療方法自体は薬を飲んで静養するだけと簡単ですが、時間をかけて回復を待つ辛抱が必要であることを患者と家族がよく理解していなければいけません。
病気が心理的葛藤に起因するものかそうでないと判断することは難しく医師の助言は欠かせないですが、心因性うつ病の場合は心理的葛藤の解決、または葛藤状況から離れるよう治療が進められます。
患者の気分転換を図るため、励ますつもりで、「甘えるな」とか「頑張れ」という言葉をかける人がいますが、内因性うつ病は気分転換や努力で治る病気ではありません。
自分ではどうすることもできない病気がうつ病であり、従って自力回復を期待するような言葉をかけることは、返って患者の症状を悪化させることになりかねません。
いずれにせよ、うつ病患者の回復には家族や周りの人の協力は必須であり、病気を十分理解した上で供に焦らず気長に病気の回復を待つことが必要とされます。