2010年04月26日
借主が貸主に渡す金銭が敷金であり、礼金とは似て非なるものです
借主が貸主に渡す金銭には敷金と礼金がありますが、返還されないのが礼金、返還されるのが敷金です。
敷金と礼金とはまったく別物であって、基本的に「返還がなされるかどうか」という点でまったく根本的に異なるのです。
借主が汚したり壊したりして賃貸目的物に損害を与えた場合に備えて貸主が預かっておく金銭を敷金と呼ぶのです。
借主の通常使用による家の摩耗であったとすれば、敷金からその損害額が引かれることは絶対にありえないことなのです。
変色してしまった壁紙や畳があったからといって、それが原因で敷金の返還額が減少してしまうことは全くありません。
ポスターを張ったあと、家具設置による床やカーペットのへこみ跡、エアコン設置によるビス穴等も全て通常の使用であり、損害額を敷金から差し引かれることはないのです。
ところで賃貸借契約書には、たいてい借主に不利なルールばかりが書かれているもので、敷金についても例外ではありません。
ほとんどの場合「○○は借主が全額支払い、払わないときは敷金から差し引く」と書かれた項目ですが、多くは貸主が負担しなければいけないものだといっていいでしょう。
消耗品の損害を借主の敷金から差し引いて返還する額を決めていくということは、もともと家賃の額を決めるときに減価償却費を含めてしていることからすると本当に重大な誤りといえるのです。
賃貸借契約を結ぼうとする場合、敷金でもめたりしないためにも、正しい知識を持つことが必須といえます。
賃貸借契約を結ぶ時点で敷金についてもしっかり理解することが、生活の本拠をそこに定める者の当然なすべきことのひとつなのです。
争いごとになってしまってから慌てたりしても遅いですから、敷金については事前によく学習しておきましょう。