2010年11月20日
「私、エステなんてプライベートでも行ったことないんですが」
「エステの取材があるんですけど、行ってもらえますか?」ある日、編集部からそんな依頼が来ました。
主婦ライターとしていろんなジャンルの記事を手がけている私ですが、今まで美容関係だけはあまり書いたことがありませんでした。もちろん、エステの取材なんて、一度も行ったことはありません。
そこで私は担当者に尋ねました。「今まで一度もエステに行ったことないんですが、大丈夫でしょうか?」すると彼は「大丈夫ですよ!主婦の目線で体験レポートしてくれるだけでいいですから」と安請け合い。まあそれなら書けるだろう、と私はこの依頼を受けることにしました。
でも、エステ取材の朝、私はとんでもない緊張に襲われていました。頭痛はするし、お腹は痛いし、食事も喉を通らない。わぁ、どうしよう、引き受けるんじゃなかった!
たかがエステ初体験で、と自分が情けなくなりましたが、未知の体験というのは、いくつになっても恐ろしいような気がするものなんですよね。
フェイシャルエステの体験もあるということだがメイクはした方がいいのか、しない方がいいのか?服は何色がいいのか、どうせ脱ぐから何色でもいいのか?出かける直前まで、あれこれと悩みながら、落ち着かなく過ごしました。
カメラマンの車に同乗させてもらい、エステサロンに向かいました。駅前の高級住宅街にあって、隠れ家っぽい感じです。
私は、きっとメイクの濃いエステティシャンが出てくるんだろうなんて勝手に想像していたのですが、迎えてくださったのは、とっても上品なマダム。そして、助手の女性がひとり。おふたりとも、にこやかな笑顔を浮かべています。
ゲストにくつろいでほしいから、できるだけ家庭的な感じを出すようにこころがけているというマダム。自宅を改装したエステサロンということですが、さすがにインテリアはどれも高級そうでお洒落。
助手のエステティシャンが、個室に案内してくださいました。広い部屋の中央にあるのは、天蓋付きのベッドです。「すごい!お姫さまベッドだ!」私はちょっと興奮してしまいました。
アロマの良い香りが癒されます。清潔なリネン類は、肌触りも抜群。私はすっかりリラックスした気分になり、エステティシャンのゴッドハンドに身をゆだねました。
ああ、気持ちがいい。まるで夢を見ているようです。そして私は、不覚にも本当に眠ってしまいました。「しまった!寝てしまったらエステ体験記事が書けない!」と後で焦ったけど、後の祭りです。