2009年07月03日
毛がには値段は手頃で、おいしいカニです
わが国の近くの海にいるカニは千種類を超えると言われますが、市場に出回っている種類はあまり多くありません。
たらばがに、毛がに、ずわいがになどなどカニの種類はたくさんあるように思えますが、中には同じかにだけれど、地域によって名前が違うものがあります。
例えばずわいがにの場合、山陰地方や関西では「松葉がに」、関東や福井県では「越前がに」というように同じカニでも呼び方が違います。
「べにずわいがに」と呼ばれるずわいがにに近い種類のカニも別の名前を持っていて、「べにがに」などと称することもあります。
よく店頭で安い値段で売られている「ずわいがに」は、実は、この味の劣るカニである「べにずわいがに」のことが多いです。
これは、近年大きく減少した「ずわいがに」にかわり、「べにずわいがに」が多く出回っているのです。
少し話は変わるのですが、殻も柔らかくて食べやすく、手ごろな値段でおいしく、身が多く、みそも美味しいカニといえば、やはり「毛がに」でしょう。
元来食べ始めると無口になりやすいカニですが、この毛がにを食べる時は、さらに夢中になるといわれています。
こんなに北海道の毛がにが知られるようになったのは戦後のことで、それまで誰も注目しなかった毛がにを、戦争で何も商品がなくなった長万部駅の立ち売り業者が、茹でて売るようになったことからヒットしたということです。
「たらばがに」は、ハサミと足を合わせて4対しかなく、分類学上はカニではなく「ヤドカリ」の仲間になりますが、北海道のタラの漁場と同じ海域でとれることから名前がつきました。
体に付いた身は少なくて、足を食べるのが主流の「たらばがに」は、足を広げるとその長さが1m超のものもあり、刺身や焼きガニ、鍋物など、大きなものを買えばいろいろな食べ方が可能になります。
とても固い殻なので食べるのが実に大変な「花咲がに」も、たらばがにと同じように「ヤドカリ」の仲間であってカニではないですが、味はたらばがにと同様濃厚ですし、旬が夏なので、カニを夏も食べたいという人にとっては、実に嬉しいことなのです。