2010年09月01日
爪とぎという行為は何らかの不安を感じたときなどに
猫にとって、爪とぎというものは欠かせない生物的な行動なのですが、家で飼う場合、これは大きな問題ともなってきます。猫が爪とぎを行うのには主な四つの理由が挙げられます。
第一に言えることは、爪を常に鋭くしておけば獲物を捕えるのに有利だということです。そして第二の点としては、爪をとぐことでそれが足の裏に食い込んだあり、あるいはその爪で自分の体を傷つけることを防げるからです。
さらに、第三点として、いわゆるマーキング行動と言えるものがあります。爪をとぐと、肉球から特有の匂いが分泌され、その場所にそれを付着させることができるのです。
そして、そうした場合、猫にとってはなるべく高い位置で爪とぎを行い、その跡を残す必要があるのです。それが猫にとり、その領域に大きな猫がいるということを示す、いわゆる示威行動となるためです。
そして、第四番目としては、猫にとってのストレス解消ということが挙げられます。猫は爪とぎによって心を落ち着かせることができるのです。
もっとも、猫の爪とぎとは、刃物をとぐように爪をとぐという訳ではないのです。古い爪の一部分を剥がすことで、爪が鋭くなるというものなのです。
もっとも、猫が爪とぎをするのはその前足だけで、後ろ足は自分の歯で剥がしたりしています。それから、爪とぎは猫同士の連絡にも使われ、いずれにしても、猫にとってそれは不可欠な行為なのです。
実際、そうした猫の爪とぎというものによって、家の中はボロボロになってしまいます。例えば壁にしろ、柱にしろ、あるいは、襖にしろ、障子にしろ、さらには家具までが皆、傷つけられたりしてしまいます
けれども、猫にとって爪とぎをやめろと言うのは、およそ無理な相談でしょう。と言うのも、猫にとってのそれは最も基本的な習性とも言って良いものだからです。
そして、猫にとっては爪とぎは不可欠なことであるので、それを禁じてストレスに陥らないようにさせなければなりません。そのためにはいかにうまく猫に爪とぎをさせるかということを考えていかなくてはなりません。
そして、そのためには猫が爪をとぐものを決めておき、また、その場所をも定めておかなければなりません。このように猫に対して、爪とぎについての躾をきちんとしておくことが大切なのです。
ですから、ネコの躾が肝心なことになってきます。褒めたり、叱ったりしながら、猫に爪とぎの位置を覚えさせるのです。実際にその手を取って、その場所で爪とぎの真似をさせてみるのがよいでしょう。