2011年05月02日
網膜剥離や白内障と言う合併症が確認されています
アトピー性皮膚炎という言葉は、いまやすっかりポピュラーなものになっています。
栄養が足りない、衛生状況が悪いなどの理由で起こる病気は、現在の日本ではあまり見られないようになりました。しかし、それが逆に新しい病気を引き起こすことにもなっています。
そういった新しい世代の病気として、花粉症と同じ位ポピュラーなのがアトピーです。
アトピー性皮膚炎は花粉症と発現の経路は一緒であるアレルギー性疾患ですが、その特徴は皮膚に症状が出ることです。
アトピーとは耳慣れない言葉ですが、実は医学用語では花粉症でも喘息でもアレルギー性の疾患には等しくアトピーという言葉を用います。しかし、日本ではアトピーは皮膚炎についてのみを指します。
アトピーには意外かもしれませんが、網膜剥離や白内障と言う合併症が確認されています。皮膚の症状に痒みを伴うため、かきむしって眼を損傷することがその原因と言われています。アトピーの患者は、総じて皮膚が弱いことが知られています。
アレルギー性疾患は原因をつきとめて根っこから治療するのが難しく、それはアトピーにもあてはまることです。
ですから、アトピーが治る!という謳い文句の治療法は信頼度は高くありません。民間療法は多くありますが,確実性は疑問視されています。
アレルギー性疾患はそもそもその反応を引き起こす物質が個人によって違うという性質のものですから、当然アトピーも効く治療効かない治療が各々で違うのは当然です。
命に関わる症状はほとんど無いアトピー性皮膚炎ですが、一方で皮膚症状の表出が思わぬマイナス面をはらむと言う点で難しい病気と言えます。
子供のアトピー患者はいじめや偏見と言った、外的な攻撃に晒されるきわめて残酷な経験をする可能性があります。大人のアトピー患者も同様のケースが考えられますが、特に思春期以降は自分の内面での問題が多く発生する可能性を秘めている、本当につらい病気であると言えます。
生命を脅かす病気ではないという点を差し引いても、アトピーは難病と言って良いでしょう。