2011年06月22日
エステ取材の朝、私はとんでもない緊張に襲われていました
エステの体験取材をすることになりました。ある日、取引先の編集部から、依頼の電話をいただいたのです。
フリーでライター業を営んでいる私は、今まで、主婦である立場を生かして、生活に密着したさまざまなジャンルの記事を書いてきました。ところが、美容についての記事だけは書いたことがなかった。エステなんて行ったこともありません。
「え、私エステなんて行ったことないですよ。それでもいいんですか?」あわてた私は担当者にそう尋ねました。すると、「今回は、主婦向けのエステを、主婦ライターが紹介するという体験モノですから、大丈夫ですよ」という返事。それなら大丈夫か、と引き受けることにしたんです。
そして、当日の朝。私は依頼を受けたことを後悔していました。初めてエステに行くという事実に緊張して、激しい頭痛と胃痛になってしまったのです。
初めての体験って、いくつになっても緊張してしまいます。たかがエステぐらいで、と人はわらうかもしれません。自分でも情けない気がしますが、仕方ないのです。
メイクはした方がいいのかな?フェイシャルエステもあるからすっぴんの方がいいんだろうな。眉毛だけは描いていこうかな。服は、どうせ脱ぐから何色でもいいのかな……私は、家を出る直前まで、ぐずぐず悩みました。
途中でカメラマンの車に拾ってもらい、とある駅のすぐそばにある高級住宅街へと向かいました。取材先のエステサロンは、その中にあるのです。
きつめの化粧をした高飛車な態度のエステティシャンが出てくる気がしていたので、勝手に身構えていたら、迎えてくださったのは、とっても清楚で上品な感じのマダムと助手の方でした。おふたりとも、優しくニッコリ笑ってくださいました。
「お客様にくつろいでいただくて、家庭的な雰囲気を大切にしているんですよ」とマダム。自宅サロンということですが、インテリアはさすがに高級そう。センスが良くて、お洒落です。
エステルームは個室が二つ。そのうちの一部屋に案内してもらうと、中央に天蓋付きのベッドがありました。まるでお姫さまになったような気分でエステが受けられるというわけ。とってもゴージャスです。
良い匂いの香が焚かれていて、シーツやタオルも清潔で肌触りが気持ちよくて。私はすっかりリラックスして、これから始まるエステへの期待に胸をふくらませました。
そして私は夢の中。まるで海の中をゆらゆら泳いでいるような心地良さにうっとり……。私はハッとしてベッドの上に飛び起きました。「しまった!寝ちゃったら、エステの体験の記事が書けないよ!」